このまえ久しぶりに外で映画を観てきました。映画館行ったのなんていつ以来だったろう。朝に映画を観に行ったのもとても久しぶりで、ミッドタウンの中の映画館に行ったのですがまだ半ば眠っているミッドタウンも新鮮でした。
観た映画はサマー・オブ・ソウル。冒頭の19歳のスティーヴィー・ワンダーによるハッピーなドラムソロから始まるこの映画は、1969年に行われた黒人の音楽フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のドキュメンタリー映画です。
同じ年に開催されたウッドストックは知っていたのですがこのフェスは知りませんでした。しかし精神的な部分ではこちらのほうがよりロックだったかもしれません。フェスティバルの映像と共に前年のキング牧師の暗殺や、黒人社会の出来事がわかりやすく、しかし誠実にまとめられていました。
スライ・アンド・ザ・ファミリーストーンやニーナ・シモン、B.B.キングなど、熱狂が伝わってくる会場。ただし荒々しく暴力的なものではなく、僕が感じたのは朗らかでもあり平和な空気。あくまで個々が自由に楽しんだ結果として出来上がるハッピーなムード。現代ではありふれたキャッチコピーとなってしまった「音楽を超えた力」の実体のようなものでした。
何となくの知識としてしか知り得なかったアメリカ社会や、格差についてなど、この映画を観て思うところが多くありました。知識も理屈も必要ですが、理解する、しようとするためにはこういう肌で感じられるものというのはとても必要なものだと思います。監督のクエストラブは(The Rootsのドラマー!)は素晴らしかったです。途中当時参加したミュージシャンのインタビューが入るのですが、同じように良かったのは当時このフェスを観に行ったお客様のインタビュー。最後、当時少年だった彼のインタビューはとても良いシーンでした!
感染対策で座席が半減した中でもこの日のサマー・オブ・ソウルはソールドアウト。見終わるとミッドタウンは通常営業をしていました。
音楽も、人間も、素敵だなあと、足取り軽く休日を豊かな気持ちで過ごすことが出来ました。良い映画でした。
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