【太平記】第8回「妖霊星」あらすじと感想
高氏は藤夜叉に会うため馬を走らせるもすでに藤夜叉は鎌倉から姿を消していた。それを右馬介に告げられ狼狽する高氏だったが、高氏は右馬介に姿を消した藤夜叉を見失わないように追わせた。
あっさりといなくなってしまった藤夜叉は石に伊賀に連れられて行ったのだった。
まもなく高氏と登子の縁組が行われた。皆に祝福される縁組であったものの直義はやはり北条と仲良くなることに不服そうな様子。
寝所では自らの運命を高氏に託すと語る登子であったが、「もし北条に弓を引きそなたの兄と戦うことになっても?」の問いにはさすがに辛いと答える。
そんな複雑な立場の登子を哀れに思い、高氏は直義との蹴鞠を行って、その様で透子を慰める。
「兄上は何を考えておるんじゃ!」と直義のセリフがありますが、たしかにお嫁さんが来ていきなり蹴鞠を見せつける高氏に対してそれは納得のツッコミかも。
それを見守る登子に高氏の母清子が「高氏をよろしゅう」と登子の手を取る。
そして父貞氏はフラついて柱に寄りかかり苦しい表情。体調が悪くなってきた様子…
一方は日野俊基は、正中の変の咎を日野資朝が被ったことにより無罪放免となり花夜叉に迎えられていた。
藤夜叉を伊賀へ送った石が戻ってくると河内から戻った木斎と遭遇。木斎は矛の名手吉次という男を連れてきていた。吉次は楠木正季から長崎円喜暗殺の密命を受けていた。
この豊川悦司さん演じる吉次。ちょい役ではあるんですが不気味な存在感で良いですね。
石は花夜叉一座の元で日野俊基と再会した。
楠木正成への用事をこなした石に日野俊基は石に「和泉の田畑をあげる」と石に書き付けを渡す。日野家の所領の土地だったが北条が滅び良い世の中になったらやろうと言うのだ。「畑を耕す暮らしが懐かしかろう」と微笑む俊基。この褒美に石も嬉しそうだ。
この書き付けが、石の戦う理由として大きな意味を持っていくことになる。
幕府では高氏と登子の縁組の祝宴が行われていた。北条一門や家臣を集めてこの祝宴で、佐々木道誉に「野に咲く花を泣かせたこともあろう」と暗に藤夜叉のことをからかわれる。
高時は道誉の言葉に「それはなんのことじゃ」と興味を示すも、登子が帰りたがっていることでその場は何とかしてごまかして、「家に帰りたい」と高時に申し出る高氏。ただ高時に「ねや急ぎか」とからかわれてしまう。
その後円喜がやってくる。
円喜は高時に「この長崎円喜の暗殺計画があり、その首謀者は太守(高時)、あなたであるという噂が」と笑う。
その言葉に高時は「そりゃ不思議よのう」と答える。
その後明かりが消え暗闇となった祝宴の場に悲鳴が響く。
「長崎殿!長崎殿!」と叫ぶ声。
明かりが付き倒れている男。その男の顔を覗く高時は「違う!違うぞ!」と叫ぶ。
金沢貞顕も「長崎円喜殿にあらず!」と叫ぶ。
長崎円喜は無事であった。別のところから現れた円喜は扇をパチリとやり、高時に向かってにっこり微笑む円喜。目は笑っていない。
その円喜の表情に狼狽し恐怖に怯える高時。
「わしではない…わしではないぞ」と円喜に繰り返すと、錯乱し刀を抜き鳥天狗たちを相手にに相手に刀を振り回す。その鳥天狗は伊賀者が見せた妖術であった。
鳥天狗たちは「妖霊星…妖霊星…」と口々に繰り返しすごい怖い場面。
錯乱した高時がその異様な場面を膨らませてます。
その場の幕府の面々の大混乱と、錯乱した高時の様を静かに冷静に見守っていた佐々木道誉は、「北条は割れた。先が見えたぞ」と高氏に語りかける。
最後にナレーションでタイトルの「妖霊星」の解説。
当時妖霊星という悪い星が天下を騒がす俗信があったとのことです。
今回このドラマで描かれた長崎円喜暗殺計画は、金沢貞顕も「長崎円喜殿にあらず!」と叫んでいるあたり、貞顕も暗殺計画に一枚噛んでいたのかもしれませんね。
また北条高時が長崎円喜からの傀儡からどうにか抜けようとした痕跡でもあり、このドラマでの北条高時を考える際に大事な場面であると思います。
今日のハイライト
錯乱!北条高時
長崎円喜を暗殺したか!?と思ってからの「違う!」
そして円喜に微笑まれてからの恐怖の表情はすごい演技でした。その後の錯乱っぷりはいかに円喜のことを怖く思っているかが伝わってきます。
日野俊基に書き付けをもらう石のシーンも良いんですけどね。
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