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【太平記】第10回「帝の挙兵」NHK大河ドラマ感想

太平記

【太平記】第10回「帝の挙兵」〜あらすじと感想

今回はついに後醍醐天皇が倒幕のために挙兵するまで進みます。
いよいよ本格的に戦が起こるまでの話です。
この太平記はかなり濃い大河ドラマですが、ここから一層内容が濃くなっていきます。

幕府は幕府転覆の祈祷をしていた文観円観を捕縛。幕府打倒の首謀者は日野俊基と断定された。後醍醐天皇の側近であった吉田定房の密告によるものであった。
六波羅の追っ手から逃れつつ後醍醐天皇に急ぎ拝謁を求める日野俊基であったが内裏の中で六波羅の追っ手に絡め捕えられる。恐れをなして出てこない公家達。俊基が「ここは宮闕(きゅうけつ・皇居)なるぞ!」と追ってたちに叫ぶがその叫びが六波羅の手勢を怯ませる事はなかった。

捕えられる日野俊基は鬼の形相!演じる榎木孝明さんは大河ドラマの常連の俳優さんでありますがさすがに声も表情も素晴らしいです。

鎌倉でも佐々木道誉が長崎父子に命を狙われて足利の館に逃げ込んでくる。
道誉は長崎円喜には喧嘩売ったりと何かと反長崎の態度であったため、幕府転覆の陰謀が露見したことをきっかけに長崎父子が不穏分子の一掃を図るため佐々木道誉を捕らえに出たのかもしれないですね。



道誉は高氏に同じく長崎一派ではない秋田城介も襲われたと告げる。
高氏の弟直義は「高時と覚海尼が黙っていない」と長崎派の狼藉に憤るも、「弟殿、裏を読まれよ。このような事態になるということは、得宗家と長崎円喜の手打ちはとっくに済んでいる」と道誉。
道誉は円喜に命乞いに行きたいが、道中襲われてはたまらぬからと高氏に付いてきてほしいと願う。執権赤橋守時の妹婿と一緒であればさすがに襲われはしないだろうと。

このシーン、以前道誉に借りがある高氏は一緒に長崎邸に向かうことになるんですが、その前に高師直が道誉に「巻き込まれては迷惑」と言い放つ場面があります。
師直の冷たい言葉。佐々木殿に無礼という直義にも全く引く事はない。一気に場が殺気立つ場面なのですが、師直のキャラクターを表す最初の場面として良いヒリヒリ感があります。


長崎邸に着くと道誉は長崎高資の足にすがり付き「お慈悲を!お慈悲を!」と命乞いをする。
その道誉の姿を呆然と見つめる高氏。円喜もそんな高氏に一瞥をくれると長崎邸の門は閉められるのであった。
長崎円喜の圧倒的な力を眼前で見せつけられる高氏。

足利の館に帰ると父貞氏と語り合う。「美しいものでは長崎殿には勝てん。美しいだけではの」と語る貞氏。高氏が影響された後醍醐天皇の美しさや、日野俊基の理念だけでは鎌倉幕府に立ち向かうことは出来ないと暗に伝えているかのよう。

もう一度日野俊基に会いたいという高氏に対して師直は「所詮日野殿も公家、武家は武家、公家は公家」と会うのはやめたほうがよろしいでしょうと告げる。

後年の高氏の立場を思えば師直の指摘はまさにその通りなのですが、高氏の心中を思えばここでも師直はとても冷めた意見。
正論だけど、それが人の心を動かすかいうとなかなかそうでもない。
ちなみにここで高氏と登子の間に生まれた嫡子千寿王、後の足利義詮が初登場。

この後で高氏は人目を忍びただの見物人として鎌倉に送られてきた日野俊基の処刑を見守りました。
高氏の最初の導き手であった日野俊基の死は高氏大きな喪失感を味わう。ここで日野俊基との回想シーンが流れるのがとても良い演出でした。



一方幕府転覆の企てが露見したことにより都あたりには鎌倉から三千の兵が派兵される。それに対して叡山の護良親王は戦を決意する。
父である後醍醐帝に叡山へのご動座を願うつもりの護良親王。御所では公家たちが裏切り者の吉田定房を帝はなぜ放置しているのかと大騒ぎ。
帝の后妃、阿野廉子がそれを嗜める。廉子は冷静になるように公家たちを諭し、「吉田定房の裏切りという話自体も持明院統の策謀かもしれぬ」と言う。

大覚寺統と持明院統が皇統を代わりがわりに継いできたという流れに、鎌倉幕府が口を出したことが後醍醐帝の討幕の強い動機の一つというのは以前の回のドラマの解説でも語られた話ですが、ドラマの登場人物の口からこのようにそれを伺わせる内容を言わせるというのはとても良いですね。

後醍醐帝は動座を決意。「これは朕の本意である」と慌て悲しむ公家をよそに神器をまとめ内裏を脱出。しかし比叡山で向かう途中に道を六波羅軍に抑えられていることを知り笠置山へ入った。そこで帝が詠んだ歌が「うかりける 身を秋風にさそわれて 思わぬ山の紅葉をぞ見る」

ここで本木雅弘さん演じる千種忠顕登場です。
後に大河ドラマでは「徳川慶喜」で主演の徳川慶喜。「麒麟がくる」では斎藤道三役を演じますが、ここでは天皇の側近であり公家の将として登場。

笠置山に立て篭もり幕府と戦いを始める後醍醐天皇について、河内では楠木正季が帝にお味方すべし!と兄の正成に合力を進言するのもの、正成は「この戦の勝ち負けは見えている」と帝の敗北を感じ帝の元に馳せ参じる気がない様子。その兄の様子に正季は憤慨し出て行ってしまった。
正成の戦嫌いも相当なものの戦局を冷静に判断して北条憎しの感情だけで動いても仕方がないといったようにも映る。

鎌倉でも帝挙兵の報を聞いて、幕府もこれを鎮圧するべく大軍を派遣もやむなしという風向き。
そんな動乱前夜ついに高氏の父、足利貞氏が亡くなる。
足利家は悲しみに包まれる。師直だけはいつものように感情が読めない表情を浮かべている。

帝が挙兵し鎌倉幕府との戦いが始まるものの後醍醐天皇方にほぼ勝ち目が見当たらないような状況。
風雲急を告げてきたところで今回はおしまい。
日野俊基を失い、父貞氏を亡くし、「美しい帝」は追い詰められています。

今回のハイライト


佐々木道誉また大芝居!すがりついて命乞い!

今回は佐々木道誉のオーバーな命乞いです。大芝居っちゃ大芝居でもありますが、本気で命乞いをしないとあっさり殺されてもおかしくない状況。そういう意味では本気の命乞いでもありました。
長崎円喜に喧嘩を売ったり命乞いをしたりと忙しい道誉ですが、この振り幅こそが佐々木道誉の真骨頂でもありますね。インパクト大の場面でした。

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