【太平記】第6回「楠木登場」あらすじと感想
さて第6回目にしていよいよ楠木正成の登場です。
すでに前回までに名前だけは登場していますが、太平記の主役の一人ですし満を持しての登場といった感がありますね。
貞氏と高氏は赤橋守時邸へ。直義はこちらからのこのこ挨拶に行くのは不甲斐ないと納得がいかない様子。
赤橋守時は出迎えると真っ先に高氏に対しての北条一族の非を詫び、あまりにキッパリと詫びるその姿に、心中ではもやもやとしていた貞氏高氏父子も驚きと誠意を感じた。
今回も直義は怒ってます!
このドラマの直義は良く言えば一本気で頑固。若い時は直情型という感じです。
そしてストレートに謝罪をする赤橋守時。
謝る時は素直に、大きく、真っ先に。というのが肝心のようです!
赤橋守時は貞氏に高氏と妹登子との縁談を持ちかける。幕府を立て直すために足利と手を携えて鎌倉を平穏にしたいという守時。
赤橋守時は北条一族ではあるものの、幕府の腐敗した現状を案じておりなんとか幕府を立て直したいと考えている様子。
一方高氏と登子は以前借りた古今六帖の写本の紀貫之の写し間違えの件について話し合っていた。
結果「写し間違いでもどちらでも良い」という結論で納得し合い和やかに談笑する。
鎌倉に来ている花夜叉一座は佐々木道誉の屋敷にいた。赤橋と足利の縁談に執権殿が大層乗り気だと話す道誉。
藤夜叉が高氏の子を身ごもっていることを知ると「会わせてやろう」と藤夜叉に持ちかけニヤリと笑う。
また花夜叉には執権北条高時が今回の帝謀反に関してなるべく丸く収めるべく日野俊基・資朝のいずれかの斬首での手打ちにしようとしていることを告げる。花夜叉は一座の木斎にそのことを楠木正成に知らせるように頼む。
道誉の企みかはたまた気まぐれか、花夜叉一座を巻き込んで事態を翻弄する。
日野俊基に懐剣を楠木正成に渡すように頼まれた石は河内で腹を空かせ大根泥棒をしていた。その様子を現行犯で見つかった相手こそ楠木正成その人であった。
「その大根はまずかろう」と石を責めるでもなく正成が石に問う。日照り続きで作物が良く育っていないらしい。
正成の館に案内された石。そこで妻の久子、正成の弟で「龍泉殿」こと弟、正季と対面し日野俊基の懐剣を渡す。
正季は何度も助けを求めに来た日野俊基に対し決起しなかった兄を責める。しかし正成は日野俊基に対して助けられないことに無念さを滲ませつつも、「刀を抜けば相手も抜く」「人が死ぬのは無益なこと」と語る。
「世の中はゆっくり変わっていく」のセリフが印象的です。
「良い世が見たければ長生きせねばならない」と語る正成。
命の大切さと、命の使いどころをきちんと考えているようです。
待望の雨が降って雨が降ってきて家臣農民と一緒になって喜ぶ正成。武士でありながらあまりに毒気のない振る舞いに唖然とする石。
正季は石に「日野俊基を助ける手段があるから乗らないか」と誘います。
うーん、正季は見るからに謀は不得手そうだけど、乗っちゃう石でした。
楠木正成の初登場シーンでは、戦嫌いで河内の田舎で土をいじるまさに土豪という風体で「悪党」というイメージとも、「忠義者で戦の天才」という従来のイメージとも少し違う感じです。
正季役の赤井英和さんのぶっきらぼうな演技と対称的な武田鉄矢さんの人の良さそうな、優しい武士という感じです。
雨に喜んで一緒に雨中に農民たちと喜び合うという場面はかなり印象的で、この楠木正成が戦乱に否応なく巻き込まれていくと思うと結構辛いものがあります。
久子に抱っこされていた子供がおそらく後の楠木正行。
このドラマで描かれる楠木一党の辛くとも幸せな時代なのかもしれません。
場面は鎌倉に戻り流鏑馬シーン。見事さを高時に褒められる高氏。
佐々木道誉と高時も談笑。高時は「闘犬、白拍子、生花」を愛でる大名こそ歯向かってこない良い大名であると笑う。これは自分の趣味もあるでしょうし騒々しいのが嫌いな高時らしい本音なのでしょうね。
そして裏で高氏に藤夜叉が高氏の子を身ごもっていて鎌倉に来ているから明日の夜に自分の屋敷に来るように言う。
登子との縁談も迫っており右馬介
に藤夜叉に会ってはならないと諌めれるが、会いたくてたまらない高氏。このまま登子を嫁に取り、北条一族と結びつきを強くしていくことで良いのか大きく迷ってしまう。
流鏑馬シーンはさすが真田広之!といった見事なアクションシーン。そりゃあ執権殿も褒めますね!
そして藤夜叉が解任していることに大いに戸惑う高氏。
藤夜叉という存在が、都で遭遇した高氏の「衝撃」そのもの。希望であり救いなんですよね。決して藤夜叉が可愛かったからまた会いたいという意味ではないと思っています…
「京の都で見たことは、あれはみな夢か!?」との右馬助への問いが切実です。
今日のハイライト
楠木正成、雨を喜ぶ
大楠公初登場は、戦嫌いの田舎の棟梁。でした。訪ねてきた石と同じように拍子抜けした視聴者が多かったと思いますがこの印象があるからこそ武田鉄矢さんの楠木正成はより味わい深いものになっていくのだと思います!
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