その昔JRAにはダートのG1がありませんでした。今でもJRAにおいてはダートでは世代限定のG1も牝馬G1もありませんので、やっぱり傍流ではあるダート路線。地方交流レースとローテーションを組んで日本競馬のダート体系が成り立っています。
G1になったフェブラリーステークスはさながら「ダート王者決定戦」というものでしたが、近年ではどうも様子が違います。今年はテーオーケインズがサウジカップから海外遠征と去年のチュウワウィザードと同じローテーションで不出走。今年の出走予定メンバーでどの馬が勝っても「ダート王者」とは言われないでしょう。
数々のダートの強豪が君臨したフェブラリーステークスを思い出すと少し寂しいものです。一昔前までドバイワールドカップを目指す場合でも、フェブラリーステークスか川崎記念から挑戦していた馬も多かったです。しかしながら日本一決定戦はチャンピオンズカップに譲ったと考えると、このフェブラリーステークスの現在地が面白く見えてきます。
チャンピオンズカップが日本ダート王の着地点ならフェブラリーステークスはダートのトップホースへのスタートのレース。色々な距離適性の馬が工夫一つで走れる1600メートルという距離。去年のレッドルゼルのように海外へのステップにする馬も居るでしょうし、立ち位置の変遷はあってもフェブラリーステークスはやっぱり魅力的なレースだと思います。
根岸ステークス前にふとそんなことを思いました。
コメント