【どうする家康】第25回「はるかに遠い夢」あらすじと感想
大河ドラマはどのドラマもおおむね20回〜30回前あたりに前半の山場の回が来ます。今回の「どうする家康」は今回がそれにあたるのでしょうか。
見せ場だらけの家康の人生なので山場に相当する回も続くのでしょうが、初回からの流れを見ると一旦大きな区切りとなりそうです。
前回瀬名の秘めた計画であった「慈愛の国」、すなわち徳川・武田を主体とした連合体構想は武田勝頼により瓦解。勝頼はその計画を世上に蒔いて信長と家康との間に戦が起こることを期待する。
勝頼によって計画が漏れたことを知った家康。
信長にもそれがバレて家康は信長に呼び出される。
処分は「自分で決めろ」と言う信長。
家康もこの計画に乗ったんでした。
戦国の世にこう言うユートピアを夢見る人がいても良いと思いますし、実際いたと思います(現実的でなくとも)
ただドラマの話だとしても、実質信長に叛逆するこの計画。乗ったなら乗ったでバレた時の策や覚悟は持っててあらかじめ欲しかったなあ…。
「自分で決めろ」と言われるためだけに呼び出される演出も含めてなんか甘い。
死ぬ覚悟を決めている信康だが、家康は信長と手切れを言う。しかしそれでは武田と織田と同時に相手にすることになる。
瀬名は五徳に信長宛てに手紙を書くように命じる。自分を悪虐であると書いた手紙を書かせることで一身に責めを受ける覚悟のようだ。
しかし家康は瀬名と信康を救うために信長を欺く事を決める。
酒井忠次に五徳の書いた手紙を持たせ安土へ。成敗すると信長に伝えた。
瀬名と五徳は身代わりを用意し密かに逃すことにした。
五徳と信長の別れ。そして瀬名と家康との別れ。
しかし信康は母が逃げるまで自分が逃げるつもりはないと家康の言う通りに動かない。
史実で信康が切腹するまで各城を転々とするんですがそこを盛り込んだ形ですね。
でもこのドラマの家康のプランであるならば、とっとと身代わりを切腹させて終わりにしたほうが早いと思います。
築山から出た瀬名であったが瀬名も自分の身代わりに「家に帰るがよい」と逃す。
死ぬ覚悟であった瀬名。そこに家康も駆けつけるが、瀬名は短刀に手をかける。
信康もやはり全く逃げるつもりはなさそうだ。自分の予想通り母が自害したことを察し腹を切る。
父に「わしが徳川を護ったんじゃ…勤めを果たした」と伝えてほしいと言い残し、信康は半蔵に介錯され果てた。
ドラマの中の話ではありますけど、かつて瀬名と信康を駿府から救い出そうと悪戦苦闘していた半蔵が信康の介錯をするのは辛いシーンでした。
家康は信康自害の報告を受け呆然。家中も悲しみにくれる。
瀬名の計画に夢を見た面々も悲嘆にくれ、勝頼は「人でなしじゃな、家康は…」と呟く
安土では事の顛末について「良かった」と言う佐久間信盛に、信長は「二度と顔を見せるな」と凄むと家康のことを思い物憂げであった。
場面が戻り瀬名の自害の顛末が描かれる。
瀬名はかつて父母に「大切なものを守るために命をかける時が来る」と言われたことを話す。今がその時と言う瀬名。
かつて家康と語り合った家康と世間の喧騒からも離れふたりでひっそりと生きていくと言う瀬名の夢。それははるかな夢であったと涙する家康の肩を抱いた。
いよいよその時、大声を上げ取り乱す家康であった。
遂に瀬名、信康退場となりました。
うーん、徳川側の人間を(五徳含む)悪く書かずに信康事件を描くとこう言う感じになるのかぁと言う感想です。でも駿府での回想シーンはやっぱり切ないものがありました。
しかしあまり意地悪な見かたをせずに、本当の出会いや本当の別れを描こうとするのは大事なことだと思いますし、史実の家康にとって実際はそれが誰かはわかりませんが、ひとつのドラマとしてはそう言う話であっても良いと思いました。
ただ突っ込みたいとこもあるにはあるのですいません!瀬名に逃げよと家康が言うシーンで「悪女として語り継がれる」とのセリフがありましたが、いやいや、後に徳川政権になるので(事実がそうなら)幾らでも良いように騙り告げたでしょ。とは思いました…。
それとドラマ上とは言え、この結果は瀬名がいくら理想郷を夢見たとしてもそれは別に良くて、何より家康がそれに同調するのは浅慮。瀬名をなだめるでも叱るでもこの計画を何とか止めていれば。ってそう家康が思ってるのかどうかちょっと怪しいなぁ。
今回のハイライト
瀬名自害
有村架純さんの瀬名姫は好きでした。今までのイメージと違う築山殿でしたが、あどけない今川ゆかりの姫から品格を備えた正室に変わっていく瀬名はとても良かったです!
仕方ないとは言え退場は残念。
コメント